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絵画作品と「遠近法」

数ある絵画作品の多くに使用されている「遠近法」とは、いったいどのような技法なのでしょうか。皆さんがご存じの「遠近法」は、時に「線遠近法」もしくは、「平行遠近法」などと呼ばれる数々の技法に分類されているようです。「線遠近法」も「平行遠近法」も、絵画作品の特徴を目でみるなかでは、実感としてよく理解していただけるのではないかと思われますが、それぞれの技法を言語化して言い表すことはなかなか難しいかもしれません。「線遠近法」の特徴としては、絵画の中央付近に「中央消失点」がみつかります。「中央消失点」に向けて描かれた絵画作品には、画面奥に向かうような奥行き効果がみられるようです。「平行遠近法」を用いて描かれた作品には消失点はみつかりませんが、絵画作品のなかにみられる平行線群がその作品の特徴を大きく表してくれます。どちらの技法も、作品を目にする人びとにとってより作品情報を伝えやすくするために、それぞれの技法の選択が行われているようです。近年では、広告やショップなどにおける商品の陳列棚の配置などに、カスタマーたちの目線がもたらすその要素が大きく反映されているようですが、「遠近法」が絵画作品に数多く用いられた時代のなかにおいても作品を鑑賞するであろう人びとの存在や目線のあり方を強く意識作品づくりが行われていたようです。

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