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額縁の移り変わり

芸術品とも言えるような額縁は、ひと頃の栄華は消え衰退の一途と言われて久しいですが、これは単に廃れたと一言では言い表せない奥深いものが潜んでいます。

美術品と呼ばれる絵画でさえ、いまや優れた作品は日常とは乖離した存在で美術館などに出向いていかないとお目に掛かれなくなってきています。昔の人はご先祖の肖像画を壁にかけて敬い、また一方で広大な自然を描いた風景画をながめて心を落ち着けるというようにある意味日常的な必需品と思われていました。

それが19世紀ともなると、絵画も家具の一種と化し、それに伴って額縁の存在感も薄れていったと考えられます。

以降さらに没個性とでも言えるような画一的な傾向へと変わっていき、それまで絵画に求められていたロマン主義に代表されるような啓蒙的要素は消え、現実そのままを如何に忠実に表現するかという写実主義と真逆となる印象主義との両極端な方面へと変貌していったの考えられます。

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