クリムト
時に神々は多神となったり、複数の神の信仰をよしとしない一神となったり、世の中に広まる信仰、宗教の違いによって各時代の作家たちに求められる作品のモチーフは変化を遂げていることが読み取れるでしょう。
19世紀の後半に活躍した画家クリムト作品は、現代においても多くの日本人ファンを惹きつけ、日用品などに作品がプリントされたグッズなどが数多く販売されておりますが、彼の代表作としても知られている「女の三世代」も、中世のキリスト教会が広めた教えが作品のモチーフになっていたなどと考えられているようです。
クリムト作品は金細工が用いられていることが彼の作品の大きな特徴でもあり、一度でも彼の作品を目にしたことのある方は、金細工の美しさや華麗さが作品の印象として強く脳裏に焼き付かれるのではないでしょうか。
「女の三世代」と呼ばれる作品は、女性の生涯を作品に描き出すことで人生の儚さとともに今を信仰深く生きることの大切さを説いたものなどと解釈されているようです。
中世のキリスト教が布教していた「メメント・モリ」は死を考えることを提唱してたとされ、クリムト以外の画家たちの間でも人生の儚さを伝えるために、三世代に渡る人びとの生きる姿を描くことがムーブメントとなっていたようです。